マニュアル化した親の愛情

 いじめられの際に見られることですが、感情からだけの親の愛はかえって子供を苦しませることが有ります。すなわち、子供がいじめられていると知った親は、子供を救おうとして、行動を起こします。それは親としての優しさから、その子供を守ろうとする行動です。親は学校に掛け合います。虐める相手の親に掛け合います。しかしそれは次に、いじめられている子供には、「ちくった」と言う理由で過酷ないじめの報復が待っています。

また、いじめられている子供は苦しくて、それに耐えるのに精いっぱいなのに、親は子供をを元気づけようとして、しきりと子供を励まします。それは苦しみで辛い心をいっそう辛くします。親の優しさが、かえって子供を傷つけ追い込みます。親は励まして子供を学校に送りだします。子供は恐怖におののきながら、学校で生活しています。自分を守るのに精いっぱいです。しかし、自分を守りきれないで、傷つき続けます。多くの親はいじめられに関する知識が不十分です。ただ単に親としてのマニュアル化した愛情からだけで動きます。それはかえって子供を傷つけることが多いです。


 親の愛情とは何でしょう?単に、子供のためと思われる親の行動は、一見愛情のように見えますが、必ずしも愛情ではないのでしょう。それは各々の子供の状態によってかわらなくてはなりません。子供の状態をよく理解して、細かい配慮をしないと愛情にはなりません。「子供の状態を正確に理解すること、子供の要求を素直に受け入れること」が愛情そのものかも知れません。いずれにしてもマニュアル化した愛情は子供を傷つけることが有ることに、親は注意する必要があります。

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