学級崩壊

<質問>

この前、参観に行った母親が、小学二年の我が子のクラスが学級崩壊していたと言ってました。授業中、三、四人の子がうろついたり、母親の元へ行ったり、挙手してあてられると、〇〇くんを殺していいですか?と言ったり、とにかく騒がしくて勉強できない状態だったと言ってました。

後から親が書くアンケートがあり、学級崩壊していると書いたそうです。その後、そのクラスでは男性の教師が加わって 、担任が授業している時に、うろつく男児達を大声で叱っていたそうです。

叱ったところで、男性教師がいなくなればまたすると思うんですが、こんな対応しか学校はしないものでしょうか?時間をかけて対応できないので、結局は力で押さえつける事しかできないのだと思いますが、私はなぜ子供達がそうしてしまうのかを考えて欲しいと先生方には言ってます。
そして叱らないで欲しいと言ってます


<回答>

まず、考え方です。オペランド条件付けという行動の学習についての動物実験があります。教育の基本になっている理論です。

http://www.counselorweb.jp/article/441254429.html

この中の

強化されたオペラント行動に対して罰を与えたらどうなるのか?

スキナーは、動物の強化されたオペラント行動に対して電撃や殴打の罰を与えて実験をしていますが、結果、オペラント行動の抑止は一時的でした。罰を与え続けても、罰を受けていない群とオペラント行動の頻度にほとんど差がなかったのです。

このことから、強化された行動は強化子がある限り苦痛を伴ってでも実行され、人間に置き換えて考えても行動を抑制するための体罰は、その効果が一時的で、その後効果が無くなると言えます。

つまり、学級崩壊を起こす子どもは、学校で問題行動をし続けるというオペラント行動を学習しているのです。それを大人からの罰で解消しようとしても、それは一時的で、その後もその罰を与える教師が居ても、学級崩壊は収まらないという子どもの本能を学校は知らないのです。学校は学級崩壊を解決しようとしているのですが、その知識不足のために学級崩壊を解決できないのです。学級崩壊に対して対応をしていると言うモーションを、姿勢を示して、責任逃れをして居るだけです。


学校側の対応法として

1)学校生活を辛くしている担任を換える
2)学級崩壊を起こしている子どもに教室内に居場所を与えてあげる(接近系を与える)。副担任を置いて、その子どもを楽しませる対応をしてもらう
3)子どもに取って最大の接近系は母親ですから、母親に子どもの心を理解してもらって教室内で母親の接近系を与える。但しこれは母親が子どもの心を理解できないとできません。
4)同じく母親に理解をしてもらって、家庭で子どもの心の辛さを十分に癒やしてもらう。これも母親の理解が必要

学級崩壊に巻き込まれた子どもの親として、
1)子どもを積極的に学校に行かさない
2)家の中を徹底的に子どもに取って楽しくしてあげて、学校での辛さを解消させてあげる

現在の学校のあり方の大きな間違いは、授業をして居たらそれで学校側の責任はないという学校側、親側の思いです。そこには子どもがどのように学校を感じているのかと言うことが完全に無視されています。学業の結果だけから子どもを判断している現実が、子どもを学級崩壊の方向へ走らせています。


学級崩壊の原因もオペラント条件付けと条件反射から説明されます。
学級内で授業が(先行刺激)辛い子どもが回避行動を取った(行動)とき、教師から罰を受けた(その結果が回避系の強化子、上記のネット上の記事で正の強化負の強化というような言葉は間違っている)とき、子どもの問題行動は抑制されますが、罰の効果が消失するとまた回避行動を続けます。それと同時に、今度は教師に辛さを生じる条件刺激fecosを学習して、その教師を見たら辛さを生じる条件反射=fecorを生じて、ますます強い回避行動、つまり子どもがよい子を演じる、子どもが荒れる問題行動をする、心の病の症状を出す様になります。子どもによっては学級崩壊を起こすほどの問題行動を取るようになります。また辛さ(嫌悪刺激)の相乗効果も起こして、ますます教室内が辛くなります。それも学級崩壊を起こす原因となります。

この心の仕組みから、上記の対応を考えれば良いことになります


オペラント条件付けは遅延条件反射として脳科学的に説明されます。パブロフの条件反射は無関刺激と無条件刺激が同時に存在したとき、無関刺激が条件刺激と成って、以後条件刺激が加わると無条件刺激がもたらす情動を表現するようになる事実です。大脳辺縁系扁桃体での促通の仕組みで説明されます。オペラント条件付けとは無関刺激(先行刺激)を認知した一時記憶と行動の結果もたらされる結果が生じる情動(強化因子)が同時に存在して、無関刺激の一時記憶(それは無関刺激の認知を意味します)が条件刺激になった反応です。その結果行動は無関刺激が条件刺激に変化したための情動行動に変化をします。

学級崩壊を起こす子どもの行動はオペラント行動です。教室が先行刺激(条件刺激)で行動が学級崩壊を起こす行動、回避系の情動行動です。その結果大人から受ける学級崩壊を起こさないようにする大人の力は嫌悪刺激です。この回避系の情動行動を大人の力で押さえつけることは子どもに新たな嫌悪刺激を与えることになります。この新たな嫌悪刺激で子どもはより辛くなりますが、一時的によい子を演じて大人の力を振るう人の前ではよい子を演じますが、その大人がいなくなると、子どもはより一層問題行動、学級崩壊を起こす問題行動を続けます。



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