不登校の子どもを持つ母親から


学会でも話が出ていますが、常識とか親の気持ちが優先して、不登校対応が難しい母親はたくさんいると思います。

私も息子が不登校になって、20人くらいの母親や祖母の方の相談にのったり、どんな対応をしているかなど聞かれたりしましたが、学校へ行かない対応はなかなかできないものなんだと実感します。

考えたら、私も行かさないのは勇気がいりました。来週から学校へは行かさないと担任に話したときのことはいまでも覚えてますからね。でもとにかく行かせたら子供がダメになると思ってましたので、子供を守るために、とりあえず行かさないでいたいという気持ちでした。まずは行かさないでおくことが必要で、そのあとのことはその時に考えて行こうと思ってました。

あまり先のことは考えられなかったですね、、だって、行かさない対応なんて初めてチャレンジするのですから、どうなって行くのかわからないことだらけですしね。だけど、きっと大丈夫、だって息子が毎日行きたくないって言うし、行かなくていいと言ったときの喜んだ顔は、心底嬉しかったようですから、これでやっていこうと腹をくくった時でしたね。

母親は辛くて当たり前、常識があるから迷ったり苦しむのも当たり前ですね。そうしていきながらも行かさない対応をやってみよう、とりあえずしてみようって思うものだと思います。

みじかなケースで最悪かもしれないと思ったには、子供に病名がついて、入院しないとならないところまで来たご家庭です。親子間の信頼なんてなくて、子どもは母親を拒否し、部屋から一歩も出てこない、食事も部屋の前に置いて一緒に食事はしない、子供は夜中にお風呂に入るので顔を合わせることがない、子供がいつ寝ていつ起きてるかも知らない、そう言う母親がいます。

こうなってしまって、今頃、その母親は学校へ行けと言ったことや、子供の気持ちを無視したこと、いろんなことを後悔されてます。母親も引きこもりになってます。お子さんは小学生で不登校、ケアされないまま、責められ続けて、今統合失調症と診断。入院しかない状態だそうです。だれとも会いたがらない、部屋に閉じこもり、引きこもり生活がずっと続いている20歳のお子さんです。

こんな風になってしまった家庭の事を聞くと、正直、母親が母親として機能してないと思ってしまいます。その母親は常識の塊です。学校は何もしれくれないと愚痴ばっかりだったそうです。今ようやく、いろんなことがわかって来て、自分の対応のマズさを痛感されています。20歳のお子さんにこれからどう接して行かれるのか、どうしたらいいのか、きっと母親は何が何だかわからなくて、入院しかないのかもしれないと思っているでしょう。

こう言う話を聞くと、私の中では、辛い子供を救うのには、母親も辛くなって当然、それが当たり前!辛いのを理由に、辛い子供の対応ができなくなるのは育児放棄と一緒だと思ってしまいます。辛い!きつい、たいへん!と言いながら、愚痴をいいながいいので、お子さんに愛情をいっぱい注いでほしいです

子供は親の思うようにはなかなかいきません。心が辛いこどもなら、なおのこと必死になって子供に寄り添わないとわからないことだらけです。親を主張したら子どものことが何も見えなくなります。ですからたくさん辛い思いをし、苦しみ悩み、そうやって対応して行くしかないと思います。失敗したらやり直したり、ちょっとやり方を変えてみたりしながら気づいていけばいいです。

でも一番怖いのは、いつまでたっても子供に寄り添えない親です。親を主張ばかりしている親です。それが一番怖く悲しいことです。そして子供が死んでしまったり、心の病として病院に繋がれたり、親を殺してしまったり、事件になって誰かを巻き込んでしまったりしてしまうケースが、本当に残念で悲しいことだと私は感じます。


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