自律神経症状と心の病の症状

人間の回避系の本能として、
辛くなると逃げる
逃げられないとよい子を演じる
よい子を演じられないと荒れる問題行動をする
荒れる問題行動ができないと、心の病の症状を出す
と申し上げてきていました。

この心の病とは精神症状であり、医者から見て鬱病とか、統合失調症と診断されるような症状です。

このほかに体の症状として自律神経失調症の症状があります。この自律神経失調症の症状とは自律神経を介して表現されています。自律神経の症状とは何かを考えてみて下さい。辛くなると逃げるとは危険を感じると逃げるという意味です。動物では殆どこの段階までです。それ以上の辛さがあるときには死を意味しますから。

辛さから逃げる、危険から逃げるには、内臓の機能よりも逃げるための筋肉の機能が最優先されます。そのために脳(大脳辺縁系や脳幹は自律神経やホルモンを介して、筋肉が一番良く働くように調節します。つまりホルモンで代謝を高め、心拍や呼吸を高めます。その代わり消化管の機能を低下させます。多くの動物ではこれまでで、これにより生き延びられた動物は自律神経の機能を元に戻します。
生き延びられない動物は、死んでしまいます。自律神経失調症の症状と書きましたが、見かけ上失調の状態であり、人間が辛いことから逃げられない中で、何とかして逃げようとする、ある意味で自然な反応なのです。生理的な反応なのです。

ところが人間は命だけは守られます。よい子を演じる、荒れる問題行動をする、心の病の症状を出す段階でも、自律神経は機能をし続けています。その機能もより機能を高めて、人間が動物時代に獲得したように、逃げるために自律神経の機能をより一層、ひょっとしたら極限まで高めています。その結果、人間は動悸がする、胸が痛い、息苦しい、腹痛がする、吐き気がする、嘔吐する、下痢をする、
免疫異常を起こすなど、あらゆる病気の症状を出します。つまり病気の症状とは全て自律神経を介して表現されています。それ以外に心の病の症状=精神症状という物があります。これは一部大脳新皮質が関与していますから、自律神経の症状とは違います。但し殆どの場合自律神経症状を伴っています。

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