母性はありますが、母性というはっきりとした物があるわけではないと私は思います。そこで今一度母性を、動物を参考に考えてみてはいかがでしょうか?動物は母性だけから子育てをして居ますから。特に類人猿の母性は人間の母性に共通していると推測されます。
ここで注意しなければならないのは、人間に育てられて、母親から育ててもらっていない母親は、子育てを放棄しやすいと言う事実があります。それはきっとその動物にその動物なりのストレスが人間から与えられていたためだと思われます。
にんげんに育てられて、母親から育ってもらっていない母親でも、子育てができるという事実があります。これは母親が子どもを育てようとする本能と、子どもが育ててもらおうとする本能とが、機能し合ったためだと思います。
この事実から言うなら、「母性というのは子どもの要求を持たし続ける物のようです。危険から子どもを守り、子どもの成長に必要な物を与え続ける、必要としない物を与えない」、ただこれだけのようです。ここにはマニュアルはありません。
不登校、引き籠もりのように、心が辛い子どもは、危険な状態です。しかし多くの母親はこれが子どもが危険な状態だとは気づかないのです。人間以外の動物と違って、人間の母親には子育てというマニュアル(=常識)があります。そのマニュアルが優先して、子どもが危険な状態にあることに気づかないのです。子どもが危険な状態にあることに気づけば、多くの母親は母性が働いて、子どもを守ろうとするのですが。子どもが危険な状態にあることに気づかない母親には、子どもが危険な状態だと教えてあげることもできますが、子育てのマニュアルを強く持っていて、アドバイスを受け入れられない母親も多いと思います。
不登校、引き籠もりのように、心が辛い子どもの内でも、その辛さが強すぎて、母親を信頼できない、母親を拒否をして居る子どもが居ます。今の日本の多くの不登校、引き籠もりの子ども達と気づく状態の子ども達です。動物では存在しない心の状態です。人間の子どもから学ぶしかありません。不登校、引き籠もりの子どもの心は、経験者しかわかりにくいと言うことを意味しています。
この状態でも母親にマニュアルが強くて、子どもが危険な状態だと気づかない母親と、やっと子どもが危険な状態だと気づく(これは母性です)母親が居ます。後者の母親でも、どのような対応が子どもを危険な状態から守られるのか、子どもを守ろうとする母親を子どもが受け入れるのか、分かりません。ただ、子どもを守ろうとする母親の対応を積み重ねることにより、何が子どもを苦しめ、何が子どもを元気にするのかが、見えてきました。それは子どもの本能に沿った対応をすることです。この本能に沿った対応は別の意味でのマニュアルになります。
不登校、引き籠もりの子どものように、心が辛い子ども達にとって、まず子どもが辛いことを動物と共通の母性で感じ取って、子どもの本能に沿ったマニュアルで対応をして、子どもの心が元気になったら、子どもが求める物を母性で感じ取って、子どもに与え続ける、子どもがその子どもなりに育つのを待つのが、人間の場合の母性だと思われます。
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