子どもの立場からの登校拒否、不登校、いじめ、引きこもりについてQ and A version 4
{ 一般的な質問 } (6)親の迷い

厳しくしつけをすべきでしょうか?」  目次へ戻る
 家庭内、小学校、中学校で行なわれているしつけには恐怖が用いられているように思われます。例えば子どもがだらだらとテレビを見続けています。親が叱ります。そこで子どもはテレビを見ることを止めます。これを繰り返す事で、時間が来たらテレビを見ることを止めるしつけが成立します。親は子どもにしつけをしたと考え安心しているでしょうが、子どもはテレビを見ている間中、絶えず緊張している状態です。終わりの時間が来ると恐怖からテレビを切らざるを得ません。けれど親の監視の無いときには、平気で何時間でもテレビを見ることになります。一見、テレビを見る時間のしつけができたように見えますが、実際の子どもの時間が来たらテレビを消す行動は、親からの恐怖を避けるための行動です。
 学校に関しては校則がわかりやすいです。子ども達は先生に叱られたくないから校則を守っています。先生から叱られることのない場合には子ども達は校則を無視することが多いです。生活指導に熱心な先生がいます。親からみれば、子どもをしっかりしつけてくれる良い先生です。しかしこのような先生は結果を早く明確に出す必要が有ります。そのためには体罰などの恐怖を用いて子どもを指導します。その結果見かけ上学校内の秩序は整然としていますが、その陰で子ども達の登校拒否やいじめや非行が増えるという事実が有ります。

子どもを叱ってしつけるのは問題ですか?」  目次へ戻る
 子どもの刺激に対する反応の仕方は動物に近いです。恐怖を背景として子どもに学習をさせた時、子どもは恐怖を避けるための学習をします。確かに学習は成立します。大きな恐怖を与えると、学習成果は早く確実に出ます。が、恐怖が無くなると学習結果は消失します。学習結果を維持するためには、子どもに恐怖を与え続けなければなりません。次の学習に進むためには新たな恐怖を与えなければ、次の学習が行なわれません。それは子ども達の心を傷つけ続けることになります。

しつけは幼いときからつけた方が良いですか?」  目次へ戻る
 子どもに恐怖を与える形でしつけると言う意味でしたら、子どもは見かけ上しつけを受け入れるだけで、親の知らないところではとんでもないことをしでかす可能性を意味しています。それに加えて、子どもは幼いときから、恐怖により、緊張を続けなければなりません。子どもはその圧迫に押しつぶされて、自分を見失ってしまいます。そのことが、親としてはしっかり子どもをしつけた積もりなのに、親の知らない間に、親の知らないところで、親のしつけの真反対の事、非行の行動に走る一要因になっています。それに対して、厳しくの意味が、恐怖を供なわわないで、親や先生の愛情から、子どもも親も先生も喜べる状態で子どもがしつけられたのなら、それは大変に意味がある学習になります。
 現在の子ども社会もストレス社会と言われています。それは必ずしも受験競争だけが原因ではありません。しつけ、生活指導と言う名目で子どもに加えられる恐怖も、現在の子どものストレスの原因の大きな要素になっています。

子どものことが心配でついつい叱ってしまいます。」  目次へ戻る
 いろいろと原因が考えられますが、その根底には親が子どもを信頼していないことがあります。親が子どもを信頼しない限り、子どもは親のいやがることを無意識にするようになり、その結果親が子どもを叱るという悪循環になってしまいます。まず親が自分を犠牲にして、ありのままの子どもを受け入れることが問題解決の出発です。

子どもが親を信頼するようにするにはどうしたらよいですか?」  目次へ戻る
 子どもは自分の母親を無条件で信頼しています。子どもは自分が信頼している母親から無条件で信頼されることを求めています。それも、自分を信頼してくれるのは母親一人で十分です。母親がいないときには、母親に代われる大人なら、無条件で子どもを信頼してくれる大人なら、それでも良いようです。自分が信頼している大人から信頼されていると感じると、子どもはとても強く生きるようになります。自分に加わっている問題も自分の力で解決して、成長をしていきます。解決できないときには、その信頼している大人の元で時間の経過を待って、問題の解決を行っています。それだけで十分に社会性のある大人になっています。ただ、母親が存在しているときには、他の大人で母親の代役するのは大変に難しいようです。実際に登校拒否、不登校、引きこもりの子ども達を観察していると、子どもと母親との間の信頼関係が有れば、それだけで十分なことが良くわかります。
 子どもと大人との信頼関係を壊すのは大人です。子どもは自分を支えてくれる大人を100%信頼しています。その子どもからの信頼を信じないのが大人です。大人は子どもからの信頼を破壊して置いて、子どもが信頼に値しないと言っています。そのために子どもが大変に苦しくなっています。子どもは能力の限り大人を信頼していますが、子どもには大人との信頼関係を回復する手段がありません。大人が子どもを信頼しさえすれば、子どもは無条件で大人を信頼します。

親子の信頼関係の回復するには?」  目次へ戻る
 親は子どもを育てるものと考えています。身体を育てるために食べ物を与えます。その事実から、子どもの心を育てるには心に栄養に相当する物を与えてやらなければならない、つまり、教育やしつけをしなければならないと、親や大人は考えがちです。子どもが元気ですと、子どもに教育や躾を与えても問題はありません。それどころか、子どもの思いと一致したときには、子どもに大きなエネルギーを与えて、子どもを大きく伸ばします。ところが、子どもの思いと一致しないときには、親の思いは子どもを苦しめます。特に、子どもの心が傷ついていて、子どもが親の思いを全く受け入れられないときには、子どもは親に対して怒りを生じるか、又はすくみを生じるようになります。この場合、子どもは母親を信頼しようとする本能も存在していますが、それと同時に、それよりも強い母親に対する怒り、又は母親によるすくみで、母親を信頼しようとする行動が隠されてしまうだけです。
 子どもによっては、母親を意識しただけで怒るか、又はすくんでしまう子どもがいます。そのような子どもにも、母親を信頼しようとする本能がありますが、母親を意識しただけで、強い怒りやすくみに襲われて、とても母親を信頼しようとする本能があるとは思えないものです。けれど子どもが母親に対して怒り又はすくみを生じないようにして待ち続けると、子どもは母親に対して信頼をしようとするようになります。ただそのために要する時間は、場合によっては数年を要すようです。

いつになったら子どもは動き出すのでしょうか?  目次へ戻る
 何か辛い状態で苦しんでいて、外見的には何もできない状態から、何かをしようとして自分の意志で行動を開始する様子を動き出すと表現します。子どもの場合、その立場の弱さから、周囲の大人の力で無理に動かされてしまいます。この場合、自分の意志に反して動いていますから、何かの障害にぶつかると簡単に挫折して、心を傷つけてしまいます。挫折して心を傷つけるぐらいなら、子どもは動き出さない方が良いです。子どもは外力で動き出させなくても、ストレスが加わらなくなると自然と自分の自発的な意志で動き出すからです。それは大人にない、子どもの特徴の一つです。子どもが動き出さないときには何かストレスが加わっていると考えてください。

子どもはいつなったら自立してくれますか?  目次へ戻る
 親にとって子どもが早く自立して欲しいものです。子どもが辛そうにしているので、子どもがその傷ついた心を親の元で癒そうとするのを親が認めたとしても、子どもは直ぐには自立できません。今度はいつ子どもが自分の心を癒して自立して、親の元から巣立つのかを、親は心配し出します。その心配はどうしても親の表情や行動、言葉の端に現れます。言葉で、子どもが親の元で心を癒そうとしているのを認めていると親が言っても、親の元で心を癒すことを、親が否定していると子どもは感じて不安になります。それは子どもが自分の心を癒せないばかりか、子どもを追い込み動けなくしてしまいます。自立できなくしてしまいます。
 親が子どもの自立を親が願うなら、親は子どもを信頼して支えなければなりません。少しでも子どもを疑うようなら、子どもの自立は、問題の解決はその分遅れます。子どもを信頼して支えていれば、時間はかかりますが、子どもは自分の心を自分で癒して、可能な限り早く自立していきます。いつになったら子どもは自立するかの問題は、それは親の子どもへの信頼と支えの程度によります。
 子どもが元気になっても、子どもは辛かった期間を取り戻そうとします。自分を見つけ直そうとします。親が希望するように就職したり、結婚したりしない場合があります。それでも子どもが就職や結婚を必要とするようなことが生じたら、それらをして家族を維持していくようになります。

子どもの行動には全て意味があるって本当ですか?」  目次へ戻る
 子どもの行動は子どもの周囲からの刺激に単純に反応している情動行動と考えられます。特に辛い状態にある子ども達は、全ての行動が情動行動です。そこには意図は関与していません。同一の刺激を受けますと子どもは同一の反応を示します。子どもの行動にはそれなりの原因になる刺激があって、その刺激に素直に反応しています。子どもの行動には全てそれなりの理由があるという意味で、意味があります。

子どもの要求を無条件で叶えると甘えになるのでは?」  目次へ戻る
 辛い状態の子どもは自分で動けないので、いろいろと親にやって貰わなければなりません。それを支えと言います。親に支えられて子どもは傷ついた心を癒します。その心が癒えてきたら、子どもは親に求めないで自分でするようになります。自分で可能なことは全てして自立しようとします。そのために親は子どもの要求を無条件で直ぐに叶えなければなりません。その際に親が子どもの要求以上のことをする、先回りして事をすると、子どもは自分のことを自分でしなくなります。いわゆる甘えを生じます。元気が出てきた子どもには子どもが要求する物だけをして上げて、それ以外のことはしないでおくと、それは甘えにはなりません。

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