子どもの立場からの登校拒否、不登校、いじめ、引きこもりについてQ and A version 4
{ 一般的な質問 } (5)病的症状

心が傷つく子どもと傷つかない子どもがいるのはなぜ?」  目次へ戻る
 登校拒否をしている子どもが学校へ行く場合、子どもの意志で、本心で学校へ行く場合と、無理矢理に学校へ行かされている場合があります。子どもの意志で学校へ行く場合、学校内で嫌なことがあっても、子どもはそれを克服しようとします。そのような子どもは心が傷つきにくいです。ところが無理矢理に行かされている子どもの場合、学校内で嫌なことがあると、子どもは逃げだそうとします。しかし多くの場合、子どもは逃げ出せないので、心に大きな傷を受けてしまいます。
 一般的に子どもが自分の意志で何かしようとしたとき、それに対して障害が生じても、それを克服しようとします。克服できないとわかると逃げだすことで、心の傷を受けないで済みます。他人から何かをするようにし向けられたとき、それに対して障害を生じると、多くの場合逃げだそうとしても逃げ出せません。その結果大きな心の傷を受けてしまいます。その責任を他人に求めてしまいます。

子どもの心の病気はどうすればよいですか?」  目次へ戻る
 子どもが辛い状態になると、いろいろな病気の症状を出します。その症状は病気と区別ができません。けれど慣れた医者なら、その症状の組み合わせや経過などから、病気としてはおかしいと感じられ、ストレスによる物であるとわかります。
 心の病気は全て症状だけから診断されます。それ故にストレスからこれらの病気と間違えるような症状が出ている事実を知らない医者は、子ども達を病気にしてしまいます。必要ない負担を子ども達に与えてしまいます。子ども達を苦しめることになってしまいます。子ども達には心の病気はありません。全て外からの刺激に反応して、その刺激から逃げられなくて、いろいろな症状を出しているだけです。

チック、どもりの意味する物は?」  目次へ戻る
 頻回に無意識に繰り返す動作をチックと言います。例えば瞬きを頻回にする、首を左右に曲げる、頭を掻く、爪を噛む、などです。これらは程度の差はあってもストレスに遭遇したときに出ます。子どものどもりもストレスに晒されたときに生じます。チックを止めようとするとチックは悪化します。子どもがチックを示したり、どもるときには、子どもはストレスに晒されていると判断して、子どもをストレスから隔離する対応が必要です。子どもの場合、殆どのストレスが学校に関係した事柄です。

夜尿、お漏らしを治すには?  目次へ戻る
 夜尿(おねしょ)には、子どもの排尿機能が未発達の場合とストレスによる物があります。排尿機能は小学校の高学年になると、全ての子どもで完成してきます。それまでは夜尿があっても異常ではありません。お漏らしも排尿機能が未発達のため起こります。大人では我慢ができるものが子どもではできません。
 夜尿やお漏らしには、ストレスによるものがあります。特に小学生で夜尿を繰り返す子どもに見られることですが、夜尿を心配して夜尿をしてしまう子どもがいます。この様な子どもは夜尿を許可して上げると、ぴたっと夜尿が止まる場合があります。

強迫行動、潔白行動とは何ですか?」  目次へ戻る
 基本的にはチックと同じなのですが、チックと違って行動が複雑であること、実際には目的がないのに、まるである目的の為にで行っているような、順序が整然と決まって繰り返す行動です。チックと違うのは、その人が納得するまで続き、納得するとその動作は終わります。手洗いや鍵などを確かめる行動があります。脅迫行動を止めさせようとするとかえって脅迫行動が悪化します。当人が納得するまで繰り返すしかありません。
 潔白行動とは、当人が不潔と理解している物に触れると、パニック状態になり、それを回避するための脅迫行動が続く場合です。

子どもの調子が悪いとき、喘息、アトピーが悪化しますが」  目次へ戻る
 喘息、アトピーなど、アレルギー疾患は、アレルゲンという物質が体に取り込まれ、体の中にある抗体との間で抗原抗体反応を生じ、その反応物質がリンパ球に認識され、マストセルからヒスタミンが分泌され症状が出ます。この過程に於てストレスは関係しません。いくらストレスにさらされても、抗原が体に入ってこないとアレルギー反応を、症状を出しません。抗原が入っても、抗体が無ければやはり、アレルギー反応を、症状を出しません。すでにアレルギー反応を起こしている人でも、ストレスとアレルギー性疾患の間には関係がないように思われますが、最近ストレスが自律神経を介して、反応物質を認識するリンパ球に関与している証拠が見つかっています。
 ストレスが加わったときにおこるチックを考えてみて下さい。ストレスが加わると無意識にある一定の動作をする事をチックと言います。其れと同じ理由で、息苦しさやかゆみに意識が集中して、息苦しさをを強く感じたり、かゆみを強く感じて、喘息をその病態以上に強く感じ、アトピーではぼりぼり掻いて湿疹を悪化させます。アレルギー反応を起こしている人に取っては、ストレスとアレルギー反応の症状とには間接的な関係が有ります。喘息やアトピーの悪化はストレス状態と考えて対応した方が良い場合もあります。

心の傷とはなんですか?」  目次へ戻る
 心の傷とは、何か辛いことを経験すると、その辛い経験により、今までと同じように心が働かないことをいいます。ただ、そのできた心の傷に触れる物が無ければ、心は今までと同じように働きます。しかし、そのできた心の傷に触れる物が有ると、心は今までと同じように働かないばかりか、その心に触れる物を回避する回避行動を取らせたり、頭痛、腹痛などのいろいろな神経症状、鬱状態などの精神症状を出したりします。
 心の傷は目に見えません。人が意識できない領域、潜在意識の中にあります。見えないけれど、心の傷を用いて考えるととても解り易い場合が多いです。具体的には恐怖の条件反射が心の傷です。恐怖を生じるような神経回路が大脳新皮質と大脳辺縁系扁桃体にできています。

心の傷つき易さがありますか?」  目次へ戻る
 恐怖刺激や嫌悪刺激が強ければ強いほど、心は傷つきやすいです。大きな心の傷を受けます。しかし既に恐怖刺激や嫌悪刺激に敏感になっている場合、恐怖刺激や嫌悪刺激が弱くても心が大きく傷つきます。既に何かのストレスがあって、恐怖刺激や嫌悪刺激に対する閾値が低まっている場合です。この様なストレスとしては、学校内のいろいろなできごとのことが多いのですが、親の子どもに対する関わり方から生じるストレスの場合もあります。元来親は子どもの心を癒す立場にあります。ところが子どもを思うことから、子どもに期待をします。その期待に応えられる子どもでしたら、親の期待は子どものエネルギーになります。ところが、親の期待に応えられない子どもでしたら、親の期待は子どもの心にはストレスになります。恐怖刺激や嫌悪刺激に弱い子どもにしてしまいます。

心が傷つくことは悪いことですか?」  目次へ戻る
 極めて浅い心の傷は何もしなくても時間の経過と伴に完全に消失します。消失するまでの間に心の傷が疼かないようにすればよいだけです。母親の優しさは浅い心の傷を簡単に癒します。自然に消失するまでの期間は長くても半年位をみればよいようです。このように心の傷が消失すると、今度は心に傷を付けた物に対して抵抗力を持ってきます。心が傷つきにくくなります。ちょうど予防接種したときのように考えられますから、免疫効果と呼んでいます。
 心に全く傷を受けないで育った人はストレスに対して大変に弱くなります。いわゆる箱入りの子ども達です。ストレスに対して免疫力がつきません。
 子どものうちは親によって癒される限り、適当に汚れた方がよい、傷ついた方が良いです。その方がストレスに対して強い子どもができます。

薬は症状を治しますか?」  目次へ戻る
 辛い状態にある子ども達にその辛さを減らす薬を投与すると、薬が合っていさえすれば症状は軽くなります。けれど辛さを減らすことは、その辛さの原因を解決していることではなりません。あくまでも症状を軽くしているだけであり、問題の解決とは別です。
 いろいろな精神疾患に医者は薬を投与します。医者はその病気を治すためだと言いますが、科学的にその病気を治せるような薬は未だに見つかっていません。薬はその症状を軽くするために開発されたのです。薬を飲んで症状が軽くなったから、その薬を飲み続ければ治ると考えたら間違いになります。

薬の使い方どうすればよいでしょうか?」  目次へ戻る
 辛い状態にある子どもに、その状態に合う薬を使うと症状が軽減して楽になります。けれどその症状を出す大元を治しているわけではありません。薬を使っているとその内に薬が効かなくなります。その結果薬を多くするか、別の薬を追加するようになります。薬がどんどん増えてしまいます。薬の副作用に苦しむようになり、薬を飲んだ意味が無くなります。
 薬を使うのは症状を軽減するためだと考えるなら、症状が軽くなったら、薬を減らすべきです。症状が無くなったら薬を止めるべきです。そして症状が強くなったら、その時改めて薬を投与するか、増やすべきです。必要なくなったら薬は止める方向へすべきです。

薬には依存性がありますか?」  目次へ戻る
 薬を使って楽にならなければ子どもは「薬を飲まない」と言って、薬を拒否します。薬を使って楽になると、子どもや親はこの薬を使っていると治ると考えがちです。薬を飲み続けようとします。その結果、薬を止めようとすると不安になり、薬を止められなくなります。これは麻薬のような薬その物の持つ作用ではありません。けれど辛さが楽になると言う意味での、止めると辛くなりそうだという不安からの、心因性の薬への依存を生じるようになります。


目次へ戻る