子どもの立場からの登校拒否、不登校、いじめ、引きこもりについてQ and A version 4

{4。 年長の子どもの引きこもり }(2)引きこもりの子どもへの対応

引きこもりとその対応との悪循環について説明して下さい」 目次へ戻る
 心が傷つけられた子どもは、その心を癒すために、自分の家に、自分の部屋に引きこもります。すると親や周囲の大人は、引きこもりは子育ての失敗だと考えます。引きこもりは子どもの成長のために良くないと考えます。犯罪の原因となったり、精神疾患の原因となるとして、いろいろと子どもに働きかけます。そのような対応のために、子どもは逆に自己否定に陥ったり、対人恐怖を生じたり、いろいろな神経症状、精神症状を出すことになります。それは親や周囲の大人が、早く引きこもりの解決をして、子どもを社会へ引っぱり出そうと思って取る対応です。その対応が辛いために、その対応を避けるために、子どもは親や大人を避けて、より引きこもる事になります。子どもと親との間で互いに悪循環に入ってしまいます。この悪循環の際に、子どもは引きこもることでやっと自分を維持しているのです。この悪循環を子どもの方から断ち切ることはできません。その能力もありません。悪循環に陥らせているのは親や周囲の大人です。親や周囲の大人がその対応を変えなければ、この悪循環を断ち切ることはできません。
 今までの親や周囲の大人の対応は、この悪循環を断ち切るために、引きこもる子どもに社会との接点を持たせようとしてきています。多くの引きこもりに対応している相談機関ではこの様な対応が取られています。それは引きこもりを増え続けさせ、問題を難しくしています。そこで一般には相談機関が足らない、解決に当たる専門家が不足しているという発想になっています。ところが、ほとんどの引きこもっている子ども達は医者にもかかっているし、相談機関にも、専門家にもかかっています。それでもどうにもできない現実があります。つまり相談機関や専門家と言われている人に子どもを連れていっても、子どもの方からそれを拒否するようになるのが現実です。医療機関に連れていっても、薬だけ投与されていて、いっこうに問題の解決が無いという現実だけです。
 医者や専門家の対応を拒否する引きこもりの子ども達が多いです。これらの人達の引きこもりの子どもを社会へ引っぱり出そうとする対応は、相談機関の対応は、いわゆる専門家という人達の対応は、そして医療機関の対応は、子どもの心を反映していないからです。引きこもっている子ども達の心を知らないからです。その辺りのことは、引きこもりを克服した子ども達が話をしてくれています。引きこもりをしている最中の子ども達は自分を守るために、本当のことは言えないから、聞いても言いません。
 引きこもっている子ども達は好きで引きこもっているわけではありません。各々の子どもそれぞれに、それなりの理由があって引きこもっています。その理由を理解しないで対応されたら、子ども達は逆に苦しくなってきます。引きこもりの悪循環を作っているのは、子ども達の心を理解しない大人の側にあります。引きこもる子ども達を理解しない親や相談機関、いわゆる専門家の対応に子どもは疲れ果てて、それを避けるためにも引きこもっています。つまり、大人が引きこもる子ども達を理解すれば、子ども達はいつまでも引きこもっている必要がありません。現実に時間はかかりますが、多くの引きこもっていた子ども達は、自分で自分なりに自分を癒して、引きこもりを止めて社会へ出てきています。
 引きこもっている子ども達が求めているものは、「その子ども達には各自それぞれのその子どもたちなりの引きこもる理由が有るので、それを信じて、何もしないで見守って欲しい」と言うことです。「解らない人達は何もしないで自分たちを信じて欲しい」と言うことです。この子ども達の訴えを理解することは、普通の、引きこもりの子どもを持ったことのない大人達には難しいことです。子ども達の言葉による訴えは、必ずしも子供達が求めている物ではなく、習慣の心にある知識を言ってる場合が多いです。引きこもりを止めて社会へ出ていこうとするのは子ども達です。子ども達の本心で動き出さなくては引きこもりの解決にはないことを、親や大人達が理解しなければ引きこもりの解決はありません。それが引きこもりを解決する一番の近道なのです。

引きこもらせてあげて良いのでしょうか?」 目次へ戻る
 辛い状態の子どもは、引きこもらないと心の傷が疼いてとても辛いから、引きこもります。引きこもっても子どもの心の傷が疼くような対応が続くと、子どもは引きこもりの状態で荒れたり、辛い神経症状精神症状を出して引きこもりを止めようとはしません。引きこもることで心の傷が疼かなければ、子どもの心が癒えるに従って引きこもりを止めて、家の外へ出かけるようになります。
 荒れる子ども、いろいろな辛い症状を出す子どもは、まず十分に引きこもらせてあげて、子どもの傷ついた心を癒させて上げて下さい。

引きこもりの子どもを外へ引っぱり出して上げた方が良いのでは?」 目次へ戻る
 引きこもりの解決に、親や周囲の大人達が、訪問カウンセリングが効果的であろうと感じるのは、親や周囲の大人が引きこもりの子ども達の心を知らないからです。本当にカウンセリングが必要なのは、引きこもりの子どもを持つ親の方なのです。親が引きこもっている子どもをありのまま認められるように、カウンセリングを受けるべきなのです。引きこもりを解決するには、大人の側から子ども達を見るのではなくて、引きこもっている子ども達一人一人の心から、対応を考えなければならないのです。現在、引きこもっている子どもの心を知ることができるのは、子ども自身しかいません。
 引きこもっている子どもに、引きこもりの対応をしている機関からの働きかけを求める場合が有ります。それは引きこもっている子どもにとって、現在の子どもの姿の否定を意味しています。それは子どもを辛くします。子どもをかえって動けなくしてしまいます。親から見れば、対応機関からこの様に元気になった例が有りますと、説明を受けているのでしょうが、そのような例は数少ないのです。その数少ない例でも、そこまで元気になれただけであり、それ以上の元気を出すことはできません。また、無理して元気を出しているように振る舞っている可能性もあり、後でどっと動けなくなっている可能性も高いです。子どもの行動は子ども自身の心が決めるのであり、周りからあてがわれたのでは、子どもの心は納得しません。一見納得しているように見えても、子どもは大変に無理してそれを演じているだけです。

ありのままの自分を認めるとなぜ良いのでしょうか?」 目次へ戻る
 一般論として、ある人の性格や存在を否定すると、その人には大きなストレスとなることがわかっています。人が他の人から否定されても人にはストレスになります。人が自分で自分を否定してもストレスになります。辛い状態にある人の問題点を見つけてそれをただそうとすると、それはその人を否定することになります。その人の問題点をやむを得ないとそのまま認めて、その人の辛さに共感すると、その人はとても楽になります。
 一般論として、多くの辛い状態にある人は、自分の辛い状態と、他の人の状態とを比較して、自分で自分を否定しています。それは自分自身で自分自身をより辛い状態に追い込んでいます。それを避けるために、自分のそのままの状態を素直に認めたなら、その分自分に加わるストレスが少なくなり、辛さが少なくなり、楽になります。それだけ問題の解決に取り組み易くなります。
 ありのままの自分を認めようとすると、常識に反することを認めなければなりません。ところが辛い状態にある人は、殆ど全て、いわゆる常識で自分を縛り付けており、自分で自分を責めています。その結果苦しくなっていることが多いです。その常識で自分を縛るのを止めると、いろいろな症状が取れてきて、とても元気が出てきます。元気が出てきていろいろとできるようになったら、きちんと常識的な行動もできます(弱者の論理)。

引きこもっている子どもがなかなか動き出しません」 目次へ戻る
 引きこもっている子どもがなかなか動き出さないと、親は子どもの将来にとても不安を感じます。その不安は親の言葉の端や表情、行動に現れて、子どもは無意識に親の思いに答えられない自分を否定するようになります。その結果余計引きこもり、自分の部屋に閉じこもって、動けなくなります。この悪循環を断ち切るのは親にしかできません。親が子どもをとことん信じるには大変に時間がかかります。その子どもを信じている親の心が子どもに通じるまでに又長い時間を要します。その結果子どもが第一歩を踏み出すまでとても長い時間を要します。しかし、第一歩を踏み出したなら、子どもは加速度的に、どんどん自分の意欲で行動するようになります。


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